背中や腰のあたりに鈍い痛みがある
背中や腰のあたりに鈍い痛みや違和感がある場合、腎臓が原因となっていることがあります。腎臓は背中側の腰よりやや上の左右に位置しているため、腎臓の疾患が背部・腰部の痛みとして現れることがあります。
腎臓が原因となる背中・腰の痛み
腎臓の位置は脊椎の両側(第12胸椎〜第3腰椎の高さ)にあります。腎臓に炎症・結石・腫瘤などが生じると、その部位付近に痛みや重い感じが現れることがあります。
- 左右どちらか一方の背部・側腹部・腰部に感じる鈍痛・重感
- 腰の痛みとは異なり、体を動かしても変化しにくい
- 叩打痛(腎臓の位置を叩くと痛みがある)
- 発熱・血尿・尿の異常を伴う場合がある
考えられる主な疾患
- 尿路結石:腎臓や尿管に結石が生じ、強い波状の痛み(疝痛)を引き起こす。血尿を伴うことが多い
- 腎盂腎炎:細菌感染による腎臓の炎症。発熱・悪寒・背部痛が特徴的
- 腎嚢胞:腎臓に水がたまる袋(嚢胞)ができ、大きくなると鈍痛の原因になる
- 腎腫瘍:腎臓のがん(腎細胞がんなど)が進行すると痛みが生じることがある
- 多発性嚢胞腎:遺伝性疾患で腎臓に多数の嚢胞ができ、腰背部の重感や痛みが現れる
筋肉・骨格由来との見分け方
腰痛や筋肉痛は体の動きや姿勢によって痛みが変化しやすいのに対し、腎臓が原因の場合は体を動かしても痛みの程度が変わりにくく、叩打痛(腎臓の位置を拳で軽く叩いた時の痛み)が現れることがあります。
当院での対応
当院では腎臓専門医が原因を詳しく調べ、適切な治療・管理を行います。
- 尿検査(血尿・感染の確認)
- 血液検査(腎機能・炎症反応など)
- 腹部エコー検査(結石・嚢胞・腫瘤の確認)
- 必要に応じてCT検査が可能な専門医療機関へのご紹介
当院で対応できる疾患・専門医療機関へご紹介する疾患
当院は腎臓内科です。背中や腰の痛みの原因が腎臓にある場合でも、疾患の種類によって対応が異なります。
- 尿路結石や腎腫瘍など、泌尿器科的な治療(手術・砕石など)が必要な疾患は、連携する泌尿器科へご紹介します。
- 多発性嚢胞腎や軽症の腎盂腎炎などは、当院で診療・管理を行います。
特に多発性嚢胞腎については、進行を抑える専門的な薬物治療(サムスカ〈トルバプタン〉など)にも当院で対応しています。遺伝性疾患であり長期的な管理が重要となるため、腎臓専門医が継続的にフォローいたします。
背中や腰の鈍い痛みが続く方は、お気軽にご相談ください。
この記事を執筆・監修した人
田中 茂 (たなか しげる)
日本内科学会認定医・総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓専門医
日本透析医学会透析専門医
福岡県大野城市「本村内科医院」院長。専門的な知見に基づき、慢性腎臓病(CKD)の管理から透析治療、生活習慣病管理、予防医療まで幅広い診療を行っている。
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