昨年の当院の透析を振り返ってみると、比較的落ち着いた年だった様に思われます。
透析のスタートとなる穿刺にエコーを本格的に使う様になり安定した穿刺が出来るようになってきました。またシャントの狭窄を予知するためにシャントの血流を測りはじめて以前よりシャントトラブルであわてる事が少なくなったと思います。オンラインHDFも少しずつ初めており良い感触を持っております。
ただ、いわゆる胃薬、感冒薬といった以前から重宝していた薬が経済原理のために製造中止となりました。ウロキナーゼというシャントの血栓対策に便利だった薬はだんだん使えなくなっており政府がうまく対応していただけないかと思っています。
CKD-MBDという腎不全に直接関連して、主に副甲状腺の過剰で引き起こされる骨の合併症は、治療の道具がかなり出揃って、手術なしで病気のコントロールが出来る様になってきましたが、治療の基準が少し変わってきており、今迄より厳しいリン制限が求められるようになります。患者さんの高齢化に伴い多数見られる様になった骨粗鬆症についても少しずつ新しい薬を使い始めており、今後良い効果が見込めそうです。
貧血についてはエリスロポエチンやダーブロックなどのHIF-PHD阻害薬が多くの方に有効ですが、一部治療に苦慮する方もいらっしゃいます。虚血性心臓病、不整脈の治療も透析患者さんでも普通に行えるようになり治療環境が改善しました。
また、透析患者さんの年齢構成は高齢化の縮図ともいえる状態になっていますが、年を重ねるほどに個人差が大きくなり元気度に大きな差が出て来るように感じます。いろいろ困難なことも続くでしょうが、少しずつ進歩していることもあります。みなさんが安心できる透析生活を続けていけるようにみんなで努力してまいります。






