2022年度医療機器管理計画 4年目透析液製造装置の定期部品交換終了
透析液製造室の管理と役割
<透析液の役割>
前回は、透析室で患者さんに直接使用する装置コンソールの管理保守点検についてお話ししました。
今回は、透析液製造室の管理と役割についてのお話です。
血液透析療法を行うには、透析液は透析膜と共に透析治療の重要な役割を持っています。
腎不全患者さんの体内に蓄積している毒素を除去しますが、その際必要なものが透析液です。
透析液の役割の一つとして,腎機能の廃絶した患者の血液の電解質, pH ,浸透圧,尿毒症性溶質の除去などの“血液浄化”があげられます。
除去すべき尿毒症性溶質は小分子量溶質から中分子量溶質まで拡がってきています。
大きな老廃物を取り除く効果的な方法として、「透析」に「濾過」を取り込む血液透析濾過( HDF )間欠的血液透析濾過 I HDF )が積極的に行われています。
補充液にも透析液を使用しますので、透析液には清浄度が求めらています。
<透析液の製造法>
2種類の人工腎臓透析用剤粉末をA剤に透析用水に溶かしA液、B剤に透析用水に溶かしB液を作製(A原液、B原液)2 種類の原液とRO水を透析液供給装置(DAB)にて一定の割合A:B:RO水(1:1 26:32 74)で混合して作成したものが透析液です。
<電解質濃度(m E q/ l)>
Na=140.0 K =2.0 Ca=2.75 Mg=1.0 Cl=112.17
Hco3 =25.0 CH3COO =10
<透析液の糖(mg㎗)>
C6 H 12 O 6 =100
<Dドライ透析剤2.75 S>
<透析液の清浄化管理>
洗浄消毒方法,ETRFETRF((endotoxin retentive filterendotoxin retentive filter)の交換頻度)の交換頻度とその確認方法を定期的に行っています。
1)ETRF ETRF 交換頻度:交換頻度:製造者の推奨する洗浄・消毒方法を行いその推奨期間ご製造者の推奨する洗浄・消毒方法を行いその推奨期間ごとに交換する。
2)透析液供給ラインの洗浄・消毒方法
3)エンドトキシン測定,生菌の測定法
測定頻度・サンプリング法
*「20162016年版透析液水質基準達成のための手順書年版透析液水質基準達成のための手順書Ver 1.01Ver 1.01」に基づき管理を行っています。
<透析液製造装置(図透析液製造装置(図11)の4年目定期部品交換終了>)の4年目定期部品交換終了>
「Dドライ溶解装置(DAD–5050DX)」図DX)」図–11–①
透析用剤をHEPAHEPAフィルタを使用して清浄に保たれた装置フィルタを使用して清浄に保たれた装置内でボトル型の人工腎臓透析用剤(内でボトル型の人工腎臓透析用剤(DDドライ粉末)ボトルのドライ粉末)ボトルの開封を密閉回路内で行うことで、外気を遮断し原液作製の全開封を密閉回路内で行うことで、外気を遮断し原液作製の全工程が自動化で行われ、空気中の浮遊物・微生物の混入を防工程が自動化で行われ、空気中の浮遊物・微生物の混入を防止できる装置で、極めて衛生的であり安全性の高い透析液原止できる装置で、極めて衛生的であり安全性の高い透析液原液の作製ができる。液の作製ができる。
「多人数用透析液供給装置(DAB5050DX)」図DX)」図–11–②
透析治療において、透析液原液(AA原液、原液、BB原液)と透析用原液)と透析用水(水(RORO水)を連続比率混合方式により所定比率で正確に混合水)を連続比率混合方式により所定比率で正確に混合し、複数台数分の透析液を調製して透析用監視装置に供給しし、複数台数分の透析液を調製して透析用監視装置に供給します。
「微粒子除去フィルター(微ET)」図–11–③
「微粒子ろ過フィルター(カットール)」図–11–④
透析液ラインには微粒子濾過フィルター、透析液・処理水などに含まれる微粒子を除去するためのフィルター
透析製造室装置(DAD・DAB・微粒子除去フィルター・カットール)の4年目定期点検部品交換が
無事に終了しました。
2022年度の透析装置機器管理計画は、RO装置を残すだけとなりました。
1年間トラブルなく透析療法が出来ることを願っています。