知っているようで知らないめまいのお話

当院患者さんもめまいの症状を訴える患者さんが多くなってきたように感じます。
こういう私も20年来のめまい持ち看護師です。
今回はめまいについて、めまい体操についてお話ししようと思います。

原因は内耳にある場合が60%以上

めまいは、経験される方が多い身近にある病気のひとつです。
めまいに襲われると、多くの方が脳に異常をきたしたのではないかと心配されるのですが、実際には脳疾患によるめまいは比較的少数です。めまいの60%以上は、耳の中に原因があり、耳鼻咽喉科の領域になります。

脳に関わるめまい

めまいがいつまでも治らずに続くことがあります。このような場合は脳疾患の可能性も考慮し、脳神経内科や脳神経外科での検査が必要になります。
また、めまいの他に激しい頭痛・意識障害・ろれつが回らない、体や知覚のまひを伴う場合には、脳梗塞などの疑いがあり救急搬送が必要です。

耳は音を聞く働きの他に、体のバランスを保つ働きもあります。
このため耳に次のような異常が生じると、主に回転性めまいが起こります。
また、異常が生じている場所によって耳鳴りや吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。

□耳石(じせき)の侵入:良性発作性頭位めまい症

内耳の前庭という場所に耳石がはがれ、体のバランスを保つ器官である三半規管(さんはんきかん)に入り込んでしまうとめまいが起こります。
これは「良性発作性頭位めまい症」という病気です。

□リンパの増加(内リンパ水腫):メニエール病

内耳を満たしている液体である「内リンパ」が増えすぎると内耳のむくみ、めまいが起こります。
内リンパが増えすぎた状態を内リンパ水腫とよび、めまいの他に難聴(特に低音の聞こえが悪い)や耳鳴り、耳が詰まった感じ等の症状が現われることがあります。
内リンパ水腫が原因の病気に「メニエール病」があります。

□神経炎症:前庭神経炎

体のバランスを保つ情報を脳へ伝える前庭神経に炎症が起こると正常に情報が伝わらず、めまいが起こります。これは「前庭神経炎」という病気です。
前庭神経炎は風邪をひいた後に発症することが多いため、ウイルス感染や血液の循環障害が原因で炎症が起こるのではないかと考えられています。

□髄液(ずいえき)の漏れ:外リンパ瘻(瘻)

髄液(脳を保護している液体)が内リンパ腔に漏れるとめまいが起こります。
めまいの他、難聴や耳鳴りなどの症状が現われることがあります。

□中耳の炎症:中耳炎

中耳の炎症が内耳に及ぶと前庭などの内耳の働きが異常となり、めまいが起こります。
中耳が炎症を起こす病気に「中耳炎」があります。

㊟上記は、右を向いてめまいが出る方用の画像です。左の場合は、逆を行ってください。

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