本当に長かった暑さがやっと和らいできたと思ったら年末の忙しい足音がすぐそこまで来ています。
当面はコロナで隔離が必要な患者さんはほとんど経験しなくなりましたが、裏金問題決着のための国政選挙やSNSを使った強盗事件の頻発など世の中に不安の種を探すときりがありません。
医療の分野はデジタル化が遅れているとの認識はありますが、お役所など色々なところからいわゆる電子化を急き立てられて不親切な設定に疑問を持ちながらも対応させられる毎日です。
透析の分野では新しい薬としてリンの吸収を抑えるフォゼベルがあります。
使ってみた経験から大変よく効くことは実感できますが、ひとによってはかなりの下痢を起こす方があり処方する方の選び方、使い方を考えさせられる薬でもあります。
またしばらく前から腎性貧血の治療薬として、特に今迄使ってきたエリスロポエチンの効きが悪い場合に経口薬を使いはじめています。
以前からの注射薬は血液の濃さ(ヘモグロビン)の値が変動していましたがこちらの方が安定した値を保っているようには感じられます。
透析の患者さんの合併症として血管がつまる病気や、治療の補助としてワーファリンを使っていますが、薬の調整が難しく、いろいろな薬品、食品などの影響を受けるので新しいタイプの同効薬が使えるようになること、また安心して骨粗鬆症を確実に改善できるお薬の定番が出て来ることを期待しています。
透析の分野でも患者さんの高齢化にともない通院確保の問題が深刻さを増しており送迎サービスだけでは対応しきれない例が多くなってきています。ご自宅からの透析を続けていくためには介護の充実だけではなく、他業種との連携強化など更なる工夫が必要になるかもしれません。