透析患者さんの体重管理のお話

腎臓は心臓などと協力して、尿量を増減することにより体の中の水分量を一定に保っています。
腎臓の働きが大きく低下して透析を受ける方は、腎臓が元気であれば尿に出るべき水分を体に残しているので、透析が始まる直前は多くの場合、体に余分な水分がたまった状態になります。

この水分をとってやることが透析の大事な役割のひとつです。
透析中にどれだけの水分をとれるかの目安としてドライウェイトという体重を決めておきます。
日本語に直訳すると乾燥体重になってしまいますが透析患者さんであっても脱水になるのは体に害になるので、体調、血圧、体のむくみ、レントゲン検査による心臓の大きさ(心胸郭比)などを指標にして、体に無理のない体重を決めます。

ドライウェイトは患者さんの筋肉や脂肪の変化、体調によって変化しますので日々の透析を続けていくうちに修正していく場合もあります。

1回の透析で無理なく引ける水分の量は普通の体格の成人では一時間あたり500ml(普通に使われる点滴のボトル1本分)として4時間で2000ml、5時間では2500ml程度までになります。
いつも透析毎の体重増加が多い方は透析で水分をたくさん引くと血圧が下がりやすくなるために体の負担の少ないドライウェイトの設定が困難になり、長期的には心臓の負担になってきます。
だからといって食事を極端に減らすと筋肉や脂肪も減ってかえって心臓や肺への負担が増えかねないという事になりかねません。

きちんと、一定の量の食事を摂って塩分の少ない薄味になれる事で水分をとる量を節約することが重要と思っています。

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