当院における水質管理の状況 2021

以前の技士トピックスにもありますが、日本透析医会が定める水質管理基準に基づき水質検査を年1回行っています。
また、毎月1回の「2016 年版透析液水質基準」に基づいたエンドトキシン測定と生菌測定を行い透析液を管理しています。エンドトキシンは採取後、検査センターに提出しますが、生菌は院内で培養し測定しています。
培養する環境によっても細菌の増え方が違うので温度管理などに注意をして、おおよそ7~10日間の培養後、細菌のコロニー数をカウントします。

透析では、1回に約150L もの量の透析液が使用されます。
この透析液の「清浄度」が安全で快適な透析を行うための要となります。

近年、透析用回路やダイアライザーの洗浄充填用水や、透析液を透析膜を介し体内へ注入するオンラインHDFも多くなりました。また、一般的な血液透析治療モードであっても大きな膜孔サイズのため透析液が体内へ流入する可能性が高くなり、より厳格な水質基準が必要となっています。この透析液の清浄化を維持するためにも、毎月の水質管理は重要になります。

機械室蛇口のみ、処理していない水ですので細菌があります。
その他、透析に使用しているRO水、透析液、すべてで生菌は0です。

【一口メモ】
「エンドトキシンは細菌の死骸から出てくる毒素です。」
私たちは毎日生きた細菌も含めて、大量のエンドトキシンを食べたり、飲んだりしています。
例えば、水道水は浄化場で塩素消毒が行われます。塩素のよって菌は死滅し、その後死骸の表層が壊れるときエンドトキシンを放出します。
そのエンドトキシンが、口から入ったとしても、健康な人はそう簡単に病気にはなりません。それは腸内にバリヤーがあって、腸管の働きで無害化され、簡単には腸から血中に取り込まれないようになっています。

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