透析液製造室のネットワークカメラ(AXIS社製:P5534)を利用した管理体制について

当院では、透析液製造室のネットワークカメラ(AXIS:P5534)を導入して10年目を迎えております。AXIS社製:P5534利用した透析装置の管理体制は、日本で初めてのシステムの構築であり、導入後から透析装置のネットワークカメラでの管理に関して様々な学会で報告をさせて頂いています。

今回は、透析液製造室のネットワークカメラ管理体制について簡単ですがご紹介いたします。
透析装置のネットワークカメラ管理体制を導入した目的は、業務終了後は施設内の全てのスタッフが不在となる為、透析液製造室のトラブルが発生した場合、翌日の透析治療に影響を及ぼします。21年前の開院当初より、透析液製造室の異常警報を、電話による通報システムとして構築し運用してきましたが、それだけでは不十分であると日々感じている状況でした。そこで、ネットワークカメラとスマートフォンを使った管理体制にする事を考え導入いたしました。

異常が発生した場合、透析液製造室の異常発生を瞬時に撮影しメールにて画像配信を行い、臨床工学技士(以下:管理者)のスマートフォンで透析液製造室の確認ができるシステムを考案しました。更に、小型カメラを利用することで、院内の勤務者と遠隔地の管理者が連絡を取り異常装置の内部を確認できることで、迅速な判断や故障時の対処が可能となりました。

 

導入のメリットとしては、

1、ネットワークカメラを導入したことで、透析液製造室の異常を瞬時に、リアルタイムで映像として確認でき、管理者が現場に駆け付ける事無く適切な判断が行えるようになりました。

2、必要に応じて遠隔地の管理者が、透析液製造室の状況を確認できる事で、スイッチの入れ忘れなど、人為的な操作ミスによる誤動作の防止ができ、朝の立ち上がり状況も確認が可能になりました。

3、小型カメラを追加することで、勤務中のスタッフにより異常時の透析装置の内部を映し出すことにより、適切な操作や部品の交換など動画にて指導できるようになりました。

 

更に、このシステムにネットワークの遠隔電源制御(リブーター)追加することにより、室内の照明のON・OFFも可能となり、災害時の水漏れの確認でき、漏水が発生していた場合、原水バルブの緊急遮断弁の停止させることも可能となっております。

 

透析装置のネットワークカメラ管理体制を導入することで、透析開始時間を遅らせることなく、患者さんにより安心を提供出来るようになったと考えています。

「透析液製造室のネットワークカメラ管理体制」で様々な苦労もありましたが、今では導入して本当に良かったと感じています。ご協力いただいた企業さんにも感謝しています。

当院の取組が記事になっていますので、ぜひご覧ください。

https://www.axis.com/ja-jp/customer-story/2844

これからも患者さんの安心・安全・信頼される臨床工学技士として取組を行ってまいります。

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