世の中は、新型コロナウイルス感染による社会的な規制を大幅に緩和しています。ワクチン接種者は広がり、肌で感じる危険度は下がっていると感じられ、社会を十分に機能させるためには必要な決断で概ね正解と思われます。しかし、まだコロナの流行は収束したとは言えず、規制の緩和により感染者数は増加に転じているのではないかと感じています。
透析に関わっている私たちは、生活の規制を解けない状態です。透析患者さんのコロナ感染の大半は軽度であることが多く生命の危機を感じる例は少ないと感じていますが、透析は集団治療であり一部の患者さんに重症化のリスクを残しているのは確かです。社会一般に一歩遅れて規制を緩和していく姿勢で行こうと思っています。
最近コロナとともに日常的な脅威となっているのは異常な気温の上昇です。地球温暖化は地球沸騰化という形で、誰の目にも明らかな変化が到来しており、摂氏35度以上を猛暑日としていましたが、40度以上の日は別の酷暑日?といった名前が必要な感じです。
マスメディアでも高温による高齢者の死亡が多く報道されています。個人的にも最近自宅のエアコンの故障を経験して修理を待つまでの数日間ベッドサイドに氷水を入れた水筒を置き夜中に水分を補給するという体験をしました。エアコンの使用も今迄の習慣で遠ざけると生命に関わるという時代となってきていると感じています。
透析での体重管理は、水分制限が基本ですが決して脱水を許容するわけではありません。腎不全の方では、ドライウエイトの設定がさらに困難となり体重の自己管理がさらに厳しくなることになります。また、発汗量についても個人差があり汗を十分にかけない方は体温管理がさらに困難になります。頭の痛い話ですが、こまめな体重測定、クーラーなどの器具を使って自己防衛をしていくしかなさそうです。
2023/7/31 本村謙一