昨年の元旦は能登の地震での幕開けとなり、その後も長い豪雨と暑く長くいつまでも終わらない夏という天候など自然災害の点では散々な年でした。コロナ禍で停滞していた社会活動が動きを再開したものの世界のいくつかの場所で戦争が続いており、政治の世界も経済も不安定さを増しているようです。今年こそいい年でありますようにと願っていますが足元では年頭からインフルエンザの流行に悩まされそうです。
透析治療自体にわくわくするような変化はなく、高齢化の波をまともに被っており、まだAIの発達などの恩恵は届いていないのが現状です。腎不全自体(尿毒症自体)で命をおびやかされることはほぼ無くなりましたが、患者さんの目線からいえば例えば穿刺の痛みからの解放、時間的空間的束縛からの解放、高率に合併する高血圧、心疾患、脳血管障害、骨の劣化に対する未解決の問題は山積みしており、iPS細胞による再生医療も目標はみえたものの透析療法や移植の肩代わりが出来るまでの道のりは遠いと思われます。更に失われた30年を経て国のお財布はどんどん軽くなってきており、今迄当たり前の様に国が行っていた種々の援助も次第に先細りになってきています。それでもまだ国内ではほとんどの透析機関が真面目に診療に取り組んでおり全体としては圧倒的に優秀な成績を残しています。当院も近隣の医療機関にもご協力頂きながら出来る範囲で日々の確実な診療を地道に続けていきたいと思っています。